
「しっかり栄養をとらないとダメ!」という話はよく聞きます。
テレビや動画、雑誌やネット記事でも良く見聞きする言葉ではないでしょうか?
しかし「確かに栄養はとらなきゃダメだな!」と思いつつも、自分にどんな栄養が必要なのかを分かっていない人も多いです。
そんな人のために、これだけは知っておいた方が良いという栄養の基本情報をまとめました。
これらを覚えておくことで、健康管理はもちろん、ダイエットや筋トレにも役立ちます。
これから先の人生のためにも、自分の体に必要な栄養についてしっかりと学んでおきましょう。
三大栄養素「糖質・脂質・タンパク質」について学ぼう
栄養と言えば、まずは「三大栄養素」ですね。
聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?
三大栄養素は、「糖質」「脂質」「タンパク質」のことで、カロリーがある栄養素と言えば分かりやすいでしょうか?
食品に三大栄養素がどれくらい含まれているかは、食品のパッケージ裏の「食品成分表示」に書かれているので確認してみましょう。
糖質・脂質・タンパク質は、それぞれ役割が違うのでバランス良くとる必要があります。
では、1つずつ詳細を確認していきましょう。
糖質(炭水化物)
糖質は、体内のメインエネルギーになる栄養素です。
糖質が不足すれば、脳や内蔵が機能低下したり、体に力が入らないなどの悪影響が出ます。
毎日、一定量の糖質は必ずとっておきましょう。
ただし、糖質は脂肪になりやすいという特徴があります。
糖質をとりすぎて使われなかったエネルギーは、脂肪細胞に「体脂肪」として蓄えられるからです。
ダイエットをする場合は、糖質をとり過ぎないようにコントロールすることが大切になります。
- 白米
- パスタ
- パン類
- めん類
- 芋類
脂質
脂質は、細胞膜やホルモンをつくる原料になる栄養素です。
また、体温調整をはじめ、体の様々な機能に関係しています。
脂質の不足すれば、頭痛や疲労感、体力低下やむくみなどの症状が出やすくなるでしょう。
ただし、現代の食生活において脂質が不足することは少なく、普通に食事をしていれば十分に脂質をとることができます。
脂質が多い食べ物ほど美味しく感じてしまうため、好きなものばかりを食べていると、いつの間にか脂質をとりすぎているかもしれません。
- 揚げ物
- ケーキ
- クロワッサン
- チョコレート
- バター
タンパク質
タンパク質は、筋肉や肌、爪や髪、内臓などの材料になる栄養素です。
また、酵素の材料、細胞分裂や体調維持、獲得免疫機能など、役割は多岐に渡ります。
タンパク質が不足すると、肌や髪はガサガサになり、風邪も引きやすくなってしまうでしょう。
現代では「糖質」や「脂質」が中心の食生活になりがちなので、タンパク質は最も不足しがちな栄養素であると言えます。
また、タンパク質は脂肪になりにくい栄養素でもあり、うまく利用すればダイエットの強い味方にもなってくれるでしょう。
- 肉類
- 魚類
- 大豆製品
- 鶏卵
- 乳製品
ビタミンとミネラルについても学ぼう
三大栄養素とは違い、ビタミンとミネラルにはカロリーがありません。
しかし、人間の体内ではつくることができない必須の栄養素なので、三大栄養素と合わせてとっていきましょう。
また、残念ながらすべての種類のビタミンやミネラルを含んでいる食材はありません。
色々なビタミンやミネラルをとるためには、毎日できるだけ多くの食材を少しずつ食べていく必要があります。
ビタミン
人間の体に必要なビタミンは全部で13種類あります。
13種類のビタミンを大きく分けると「脂溶性ビタミン」と「水溶性ビタミン」に分けることができます。
それぞれの特徴と役割について考えていきましょう。
脂溶性ビタミン
脂溶性ビタミンは、油脂にとけやすく、水に溶けにくい特徴があります。
また、肝臓に溜まりやすいため、とりすぎると過剰症を引き起こす可能性が高いです。
適度にとっていくことが重要になります。
- 【ビタミンA】:疲れ目予防、皮膚や爪の健康維持、免疫維持、感染症予防
- 【ビタミンD】:骨や歯の健康維持、筋力維持
- 【ビタミンE】:血管や細胞の老化防止、美肌効果、疲労改善、更年期障害の軽減
- 【ビタミンK】:骨の再石灰化、血液凝固作用
水溶性ビタミン
水溶性ビタミンは、水に溶けやすく油脂に溶けにくい特徴があります。
多くの水溶性ビタミンをとっても、体内に溜まらずに汗や尿と一緒に排出されてしまうでしょう。
きっちりと毎日の食事からとっていくことが重要です。
- 【ビタミンB1】:疲労回復、夏バテ予防、精神安定作用、糖質の代謝促進
- 【ビタミンB2】:脂質の代謝、口内炎予防、髪・爪・歯の健康維持
- 【ナイアシン】:美肌効果、血行促進、二日酔い予防
- 【ビタミンB6】:脂肪肝の予防、月経前症候群の予防
- 【ビタミンB12】:造血、代謝促進、中枢神経の機能維持
- 【葉酸】:造血、口内炎予防、核酸合成
- 【パントテン酸】:免疫力の向上、抗ストレス作用
- 【ビオチン】:筋肉痛の緩和、皮膚や髪の健康維持
- 【ビタミンC】:美肌効果、疲労回復、コラーゲンの生成促進、抗ストレス作用
ミネラル
人間の体に必要なミネラルは全部で16種類あります。
16種類のミネラルを大きく分けると「主要(多量)ミネラル」と「微量ミネラル」に分けることができます。
それぞれの特徴と役割について考えていきましょう。
主要(多量)ミネラル
主要ミネラルは、1日に100mg以上はとるべきミネラルのことです。
- 【ナトリウム】:細胞の浸透圧の調整、体液のpHの調整、血圧を上昇させる
- 【塩素】:胃液の主成分、体液のpHの調整、消化促進
- 【リン】:丈夫な歯や骨の形成、成長促進、浸透圧の維持
- 【カリウム】:むくみを解消、筋肉の収縮のサポート、塩分の排泄、高血圧予防
- 【カルシウム】:骨や歯の強化、精神安定、高血圧と動脈硬化予防
- 【マグネシウム】:血圧の調整、体温の維持、骨の健康維持、エネルギー生成に関与
- 【硫黄】:有害ミネラルの蓄積予防、pHの調整、骨・皮膚・爪の生成に関与
微量ミネラル
微量ミネラルは、1日に100mg以下とれば良いミネラルのことです。
- 【鉄】:血液中での酸素の運搬、造血作用、免疫機能の維持
- 【亜鉛】:遺伝情報の伝達、味覚を正常に保つ、細胞の形成
- 【銅】:造血作用、骨や歯の強化、コラーゲンの生成に関与
- 【マンガン】:抗酸化作用、補酵素の一部を構成、中枢神経の機能に関与
- 【ヨウ素】:甲状腺ホルモンの主成分
- 【セレン】:抗酸化作用、抗がん作用、過酸化脂質の生成抑制
- 【クロム】:糖尿病予防、高血圧予防、代謝に関与
- 【モリブデン】:尿酸の代謝、鉄の利用効率促進
- 【コバルト】:ビタミンB12の構成成分、赤血球の生成に関与
食物繊維について
食物繊維には、カロリーも栄養もありません。
しかし、食物繊維には様々なメリットがあることが分かっています。
- 便通を促進
- 空腹になりづらい
- 腸内菌の餌になる
- 糖質の吸収をゆるやかにして血糖値の急騰を抑える
- コレステロールを体外に排出
食物繊維には、体調を整えるために良い様々な効果があるのです。
他の栄養素と同様に、色々な食材から積極的に食物繊維をとっていきましょう。
- 野菜類
- きのこ類
- 豆類
- 海藻類
- 果物類
バランス良く栄養をとるためには?
人間の体に必要となる、様々な栄養についてお話してきました。
体を健康に保っていくためには、これらの栄養をバランス良くとっていくことが重要です。
とはいえ、いきなりバランスの良い食事をとっていくことは難しいのではないでしょうか?
そんな人のために、とっておきの方法をご紹介します。
その方法とは、毎回の食事で「白・緑・黄・赤・黒」の5色の食材を必ず食べるという方法です。
- 白:「糖質」が豊富
- 緑:「食物繊維」が豊富
- 黄:「タンパク質」や「ビタミン」が豊富
- 赤:「タンパク質」や「ビタミン」が豊富
- 黒:「食物繊維」や「ミネラル」が豊富
毎回の食事で5色の食材を食べることで、自然と栄養バランスの良い食事をとることができます。
いつも食べている物の栄養を知っておこう
健康的に生きていくためには、色々な食材から様々な栄養をとっていく必要があります。
そのためにも、いつも食べている食材の栄養ぐらいは知っておくことが大切です。
幸いなことに、ほとんどの食品には「食品成分表示」が書かれています。
食品を買い物かごに入れる前に、食品成分表示を確認するくせをつけましょう。
そうすることで、どんな食材にどんな栄養があるかの知識が少しずつ付いていきます。
これからの長い人生のために、栄養の知識はとても役に立つことは間違いありません。
まとめ
- 栄養の基本情報を覚えておけば、健康管理はもちろん、ダイエットや筋トレにも役立つ
- 三大栄養素はとは「糖質」「脂質」「タンパク質」のこと
- ビタミンとミネラルは、人間の体内ではつくることができない必須の栄養素
- 食物繊維にはカロリーも栄養も無いが、体調を整えるために良い様々な効果がある
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