皆さんは、自重トレーニングを毎日やっていますか?
自重トレーニングの「最適な頻度」を調べてみると、次の2つの回答に分かれることが多いです。
「えっ!?一体どっちが正解なの?」って思いますよね?
一見、どちらの回答も正しそうなので、未だに自重トレーニングの「最適な頻度」が分からない、という人も多いのではないでしょうか?
結論から言えば、どちらの意見も正しいと言えます。
なぜなら、自重トレーニングをする人の「目的」によって、自重トレーニングをする「最適な頻度」や「強度」、「回数」などがそれぞれ変わってくるからです。
今回は、自重トレーニングの目的別に、「最適な頻度」や「強度」、「回数」について詳細を考えていきましょう。
自重トレーニングを毎日やるべきかは「目的」によって異なってくる
自重トレーニングをする「目的」は人それぞれですが、大きく分けると主に次の3つのパターンが考えられるのではないでしょうか?
早速ですが、それぞれの「目的」別に、1つずつ詳細を考えていきます。
【その1】ダイエットをしたい(スタイルを良くしたい)
ダイエットのために、頑張って自重トレーニングに励んでいる人も多いのではないでしょうか?
また、今の体重や体脂肪率に特に不満は無いが、少しでも体のメリハリを付けて「スタイルを良くしたい」という人なら、次のような自重トレーニングが最適だと言えます。
ポイントとしては、「軽め」で「高回数」の自重トレーニングを「毎日」行っていくことです。
【目標】:ダイエットで減少していく筋肉量を維持する・体のメリハリをつくる
ダイエットで落ちていくのは、何も「体脂肪」だけではありません。
何も対策をしなければ、「体脂肪」と一緒に「筋肉」もどんどん落ちていくことになります。
「体重が落ちてくれるなら、別に筋肉が落ちてしまっても構わない」と考える人も居るかもしれませんが、それは大きな間違いだと言えるでしょう。
では、筋肉が落ちてしまうことにより、一体どんなデメリットがあるのでしょうか?
ダイエットが成功したときの、自分が理想とする体型を思い浮かべてみてください。
それは、きっと「モデル」や「スタイルの良い芸能人」のような体型ではないでしょうか?
しかし、「筋肉」が落ちてしまうことで、ただ細いだけの不健康そうな見た目になってしまったり、ダイエット前よりもスタイルが悪くなってしまう可能性が高くなります。
また、基礎代謝が低下して痩せにくい体になったり、リバウンドしやすくなるという無視できないデメリットまで付いてくるのです。
これらの不要なデメリットを回避するためにも、「自重トレーニング」という筋トレをすることで、筋肉量を減らさずに維持していく必要があります。
【頻度】:毎日
自重トレーニングは毎日行っていきましょう。
忙しくて時間が無い日であれば、別に短時間だけのトレーニングでも構いません。
重要なのは、なるべく自重トレーニングを毎日行うことで「習慣化」させることであり、日常的に習慣化されている「歯磨き」や「洗顔」と同じように自分の生活の「当たり前」にすることです。
「当たり前」にさえなってしまえば、自重トレーニングをすることに特別な「やる気」や「気合」、「ストレス」とは無縁の状態で継続していくことができます。
何事もそうですが、継続することさえできれば、必ず成果は少しずつ出てくるでしょう。
また、毎日欠かさず自重トレーニングを行うことで、その分だけ消費カロリーも稼ぐことができるため、余計な体脂肪を減らす効果も期待できます。
【強度】:軽め
筋肉には、より強い負荷をかけることで大きく成長していくという特徴があります。
しかし、「ダイエットで減少していく筋肉量を維持する」ことや「体のメリハリをつくる」という事が目標であるならば、そこまで強い負荷をかけていく必要は無く、軽めの自重トレーニングでも十分な効果が期待できます。
むしろ、強い負荷をかけすぎることで酷い筋肉痛になってしまったり、だんだん自重トレーニングを面倒に感じるようになってきたりと、多くのデメリットを受けやすくなるでしょう。
そのようなデメリットを受けることで、一番大切な「自重トレーニングを継続する」ということが困難になってきます。
そんな事にならないためにも、自重トレーニングは「軽め」を心掛けて無理をしないようにすることが大切です。
そもそも、自分にとってキツすぎる自重トレーニングを日々のメニューに組み込まなかったり、「普通の腕立て伏せ」が大変なら「膝をついての腕立て伏せ」に変更するなど、なるべく軽い負荷になるように工夫していくのが良い方法だと言えます。
【部位】:全身(大変なら大きな筋肉だけ)
ダイエットで減少していく「筋肉の部位」を選ぶことはできません。
もちろん、個人差はありますが、多くの人の場合は「全身の筋肉が少しずつ減少していく」と言われています。
そのため、一通り全身の筋肉を鍛えていくという事がオススメです。
とはいえ、「忙しくて時間が無い」「帰宅してからそんな体力は残っていない」という人も多いのではないでしょうか?
そんな人は、「大きな筋肉だけでも鍛える」という方法が最適だと言えます。
メリットとしては、自重トレーニングの対象を大きな筋肉だけに限定することで、ごく短時間で終わらせることができるという事です。
また、大きな筋肉を鍛える時は、必ず周りの小さな筋肉にも負荷がかかっています。
例えば、「腕立て伏せ」は「大胸筋(胸の筋肉)」を鍛える自重トレーニングですが、「上腕二頭筋(力こぶの筋肉)」や「お腹正面の筋肉(腹直筋)」にも少なからず負荷がかかっているのです。
つまり、大きな筋肉を鍛えることで、その周りの小さな筋肉も自然と鍛えられることになります。
余裕がある日は全身を、余裕が無い日は大きな筋肉を中心に鍛えていきましょう。
【回数】:20回以上
ダイエットが目的の場合は、できるだけ「高回数」の自重トレーニングを行いましょう。
軽い重量で高回数の自重トレーニングを行うことで、「多くの消費カロリーを稼ぐ」や「遅筋が鍛えられる」という効果を得られるのです。
筋肉には大きく分けると「速筋」と「遅筋」の2種類の筋肉があります。
「遅筋」はスタミナを担当している筋肉で、鍛えても大きくなりにくいのが特徴の1つです。
まさに「痩せたいけれど筋肉は大きくしたくない」という人には最適ではないでしょうか?
軽い重量で高回数の自重トレーニングを行うことで、遅筋を効率よく鍛えることができます。
【その他】:脂肪を落としたいなら食事がメイン
筋トレだけで脂肪を落とそうとする人は多いですが、はっきり言って「筋トレだけで脂肪を落とすのは無謀」だと言えます。
なぜなら、筋トレで消費されるカロリーはとても少ないからです。
例えば、運動強度:3.0METs(軽・中等度のウェイトトレーニング)を30分行った場合の消費カロリーは次の通りです。
一般的には、脂肪1kgを落とすために必要な消費カロリーは「7,200kcal」と言われています。
「筋トレ」という運動を「体重60kg」の人が毎日「30分間」した場合、脂肪1kgを落とすのに「約76日」かかってしまうのです。
体重5kg落とすことが目標なら「約380日」もかかる計算になります。
実際は、自重トレーニングの運動強度はもっと低いので、自重トレーニングだけで脂肪を落とすためには、もっと多くの時間がかかるでしょう。
つまり、ダイエット中に行う自重トレーニングは「体のメリハリをつくる」と「減少していく筋肉量を維持する」ことが目的なんだと割り切るべきなのです。
では、余計な脂肪はどうやって落としていけば良いのでしょうか?
余計な脂肪を落とすために、最も効果的なのは「食事」です。
食事をうまく制限していくことで、効率よく体脂肪を落としてくことができるでしょう。
とはいえ、単純に食べる量を減らすようなダイエット方法では、体が栄養不足になりストレスも大きく溜まってしまうため、とても長く続けていくことはできません。
そこで、私がオススメするのは「食べる物の種類を変える」というダイエット方法です。
具体的には、「糖質を多く含む食べ物」を食べる機会を減らして、代わりに「不足しがちな栄養を含む食べ物」をどんどん食べていくという方法になります。
このダイエット方法であれば、体が栄養不足になることも大きなストレスが溜まることもなく、長くダイエットを続けていくことができるでしょう。
【その2】筋肉量を回復・維持させたい
筋肉量を減少させてしまうのは、何もダイエットだけではありません。
ダイエットをしていなくても、「運動不足」や「加齢」によって減少していくのです。
そのため、体の筋肉量を回復させたり維持をすることを主な目的として、自重トレーニングに取り組んでいる人も多いのではないでしょうか?
効率よく筋肉量を回復させたり維持するためには、少し強めの自重トレーニングを1日置きに取り組み、筋肉の材料となる「タンパク質」をしっかりと摂取することが大切です。
【目標】:減少した筋肉量を取り戻す
「運動不足」や「加齢」によって減少した筋肉量は、効率よく自重トレーニングを続けることによって、十分に取り戻すことが可能です。
減少した筋肉量を取り戻すことで、次のようなメリットも期待できます。
簡単に言えば、今までよりも「生活の質」をぐんと高めることができるようになり、より楽しくて質の高い日々を送れるようになるでしょう。
特に、中高年の人ほどその効果は実感できるのではないでしょうか?
【頻度】:1日置き(筋肉痛がひどい時は休む)
筋肉を効率よく成長させるためには、適度に筋肉を「休息」させる必要があります。
なぜなら、筋肉は何もしていない「休息」しているときに大きく成長していくからです。
適度に筋肉を休息させるためにも、毎日、自重トレーニングをするのでは無く、1日の休息日を挟んで1日置きに自重トレーニングを行っていきましょう。
休息日をしっかりと設けることで、筋肉は効率よく大きく成長していきます。
ただし、筋肉痛がひどく残っている時は、あまり無理をせずに思い切って休んでしまうべきです。
無理をし続けることで筋肉の成長に悪いだけでは無く、「何か面倒だ」「ツライから嫌だなぁ」というネガティブな気持ちが芽生えてしまいます。
ネガティブな気持ちのままでは、自重トレーニングを長く続けていくことはできません。
【強度】:少し強め
筋肉は、なるべく強い負荷を与えていくことで、危機を感じて大きく成長していきます。
筋肉に危機を感じさせるためにも、「少し強め」の強度で自重トレーニングをするべきです。
例えば、「スクワット」や「腕立て伏せ」などの、強度の高い自重トレーニングも積極的に行っていきましょう。
さらに、「もう、これ以上は1回も出来ない!」というぐらいまで「限界まで追い込む」ことで、効率よく筋肉に強い負荷を与えることができます。
限界まで追い込まれた筋肉は、危機を感じた脳からの信号を受け取り、どんどん大きく成長していくことになるのです。
【部位】:下半身の筋肉がメイン
下半身の筋肉は、体の筋肉の約70%を占めています。
減少した筋肉量を取り戻すなら、まずは体の筋肉の割合が最も多い「下半身」の筋肉をメインに鍛えていくのが良いでしょう。
下半身の筋肉をメインで鍛えることで、減少した筋肉量を最短で取り戻すことができるので、一気に日常生活を楽にすることができます。
下半身の筋肉を鍛えることで足腰が強くなり、少し歩いた程度で疲れることはありません。
また、1日の疲労度も大きく軽減されるため、帰宅してからも体力が余るようにもなります。
まずは、「下半身」の筋肉をある程度鍛えてしまい、その効果を実感できたタイミングで「上半身」の筋肉を鍛えていくという方法がオススメです。
【回数】:10回〜20回程度
筋肉を大きくためには、瞬間的に大きなパワーやスピードを出すことができる「速筋」を優先して鍛えていく必要があります。
速筋を鍛えるためには、なるべく強い負荷で限界まで追い込むことが効果的です。
10回〜20回程度でうまく限界になるように調整して、自重トレーニングを行っていきましょう。
例えば、「腕立て伏せ」や「スクワット」であれば、できるだけ「深くまで体を沈める」ことで負荷を大きく高めることができます。
【その他】:タンパク質をしっかりとる
筋肉を効率よく成長させるためには、食事から十分な栄養素をとる必要があります。
特に重要な栄養素は、筋肉の材料となる「タンパク質」です。
肉や魚、大豆製品を積極的に食事のおかずに取り入れていきましょう。
では、1日にどれくらいのタンパク質をとれば良いのでしょうか?
一般的には、筋肉を効率よく大きくしていくためには、1日に自分の体重1kgにつき1.5g〜2.0gのタンパク質が必要だと言われています。
例えば、体重60kgの人が1日に必要なタンパク質は、約90g〜120gが必要という計算になります。
うまく食事からタンパク質がとれない場合は、「プロテイン」を飲むことで、1杯につき約20gのタンパク質を摂取することが可能です。
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【その3】筋肉を大きく成長させたい
筋肉を大きく成長させてことが目的の人なら、歯を食いしばって行うような強度の強い自重トレーニングを2〜3日に1回行っていきましょう。
強度の強い自重トレーニングと十分な休息をとっていくことで、見栄えの良いカッコいい体をつくることができます。
【目標】:細マッチョ
自重トレーニングは、筋トレの中でも負荷が軽いトレーニングです。
しかし、それでも十分に細マッチョと呼ばれる程度には筋肉を成長させることができます。
そのためにも、なるべく強い負荷と適切な回数で自重トレーニングを行い、そして十分な休息と栄養をとっていきましょう。
細マッチョ以上の体を目指すなら、自重トレーニングでは無くダンベルやバーベルを使った「ウエイトトレーニング」に移行していくのがオススメです。
【頻度】:2〜3日に1回
限界まで追い込まれた筋肉が修復されるためには、約48時間〜72時間の休息が必要です。
そのため、1回の筋トレを行った後は、2〜3日の十分な休息をとりましょう。
十分な休息をとらなかった場合は、オーバーワーク(筋トレのやりすぎ)となり筋肉の成長が止まってしまったり、最悪の場合は怪我をしてしまう原因になりかねません。
もちろん、休息中は十分な「栄養」と「睡眠(7時間程度)」をとることが大切です。
【強度】:強め
自重トレーニングの強度は、できるだけ強めにすることを心がけるべきです。
例えば、プッシュアップバーを使った腕立て伏せや、重りを入れたリュックを背負った状態でスクワットをすることで、自重トレーニングの負荷を上げることができます。
歯を食いしばって、今の自分が出せる力をすべて出しきりましょう。
最後の1回は、つい声が出てしまうくらいが理想的です。
【部位】:全身
見栄えの良いカッコいい体を目指すなら、全身の筋肉をバランス良く鍛えていく必要があります。
特に、見栄えが良くなりやすい上半身の筋肉を優先して鍛える人が多いですが、下半身の筋肉も鍛えておかなければ「チキンレッグ」というバランスの悪い体型になってしまうでしょう。
また、特定の筋肉だけが強いという体は、怪我をする原因にもなりかねません。
大きな筋肉も小さな筋肉も関係なく、全身の筋肉をバランス良く鍛えていくことが、カッコいい体をつくるためのコツです。
バランスの良く鍛えられているかは、定期的に鏡やスマホの撮影機能を利用して確認していきましょう。
【回数】:10回程度を数セット
自重トレーニングに限らず、10回程度で限界を迎える負荷が、筋肉を大きく成長させるためには最適な負荷だと言われています。
10回程度ですべての力を出し切るような、自重トレーニングを行っていきましょう。
また、1セットだけで終わるのでは無く、インターバルを挟んで同じ種目を数セット行うことで、筋肉をギリギリ限界まで追い込むことができます。
どれくらいのインターバルを挟んでも問題ありませんが、長くても体が冷えてしまう前には次のセットを始めるべきです。
もちろん、セットが進む度にこなせる回数は減少していくことになりますが、むしろそれが普通なので何も問題ありません。
【その他】:ウエイトトレーニングに移行していく
筋肉を成長させるために一番重要なのは「強い負荷」です。
しかし、自重トレーニングを続けて筋肉がある程度成長してくると、今度は10回程度の自重トレーニングでは、ギリギリ限界まで追い込むことが出来なくなってしまいます。
つまり、自重トレーニングの負荷では物足りなくなるのです。
そうなってくると、もう自重トレーニングはもう卒業と言っても良いでしょう。
次は、より強い負荷を筋肉に与えることができる、ダンベルやバーベルを使った「ウエイトトレーニング」に挑戦するべきです。
もちろん、自重トレーニングを続けても筋肉は少しずつ成長していきますが、今までよりも筋肉の成長に時間がかかってしまうことは覚悟しなければいけません。
筋肉を早く成長させ続けるためにも、ウエイトトレーニングに挑戦してみましょう。
自重トレーニングの「最適な頻度」や「強度」は目的によって異なる
自重トレーニングの「最適な頻度」や「強度」に絶対的な正解はありません。
しかし、「ダイエットをしたい(スタイルを良くしたい)」「筋肉量を回復・維持させたい」、「筋肉を大きく成長させたい」などの目的によって、最適な選択肢は存在します。
自分の目的を再確認して、その目的にあった自重トレーニングの「最適な頻度」や「強度」を選んでいくということが大切です。
まとめ
- 自重トレーニングをする人の「目的」によって、自重トレーニングをする「最適な頻度」や「強度」はそれぞれ変わってくる
- 自重トレーニングをする主な目的には、「ダイエットをしたい(スタイルを良くしたい)」「筋肉量を回復・維持させたい」、「筋肉を大きく成長させたい」などがある
- 自分の目的を再確認して、その目的にあった自重トレーニングの「最適な頻度」や「強度」を選んでいくことが大切
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