
「40代からはダイエットの難易度がぐんと高くなる」といった話を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?
実際にその通りで、40歳を境に若い頃のようには、うまく痩せていくことは出来ません。
とはいえ、それはダイエットの知識が少ない人の場合です。
40代からのダイエットで注意するべきことを知り、うまく対策していくことができれば、年齢に関係なくダイエットを成功させることができるでしょう。
今回は、「40代からのダイエットで注意するべきこと」や「40代からはどんなダイエットをしていけば良いのか?」について考えていきます。
40代からのダイエットで注意するべき【5つ】のこと
では、40代からのダイエットでは、一体どんなことに注意すれば良いのでしょうか?
1つずつ詳細を確認していきます。
【その1】筋肉量が減少していることを考慮する
一般的に、体の筋肉量が最も多いのは25歳頃と言われおり、何も対策をしなければ筋肉量は少しずつ減少していくことになるのです。
そして、40歳を境にして筋肉量の減少はさらに加速していきます。
もし、あなたが定期的に運動やスポーツをしていないのであれば、もうすでに若い頃よりも大きく筋肉量が減少しているかもしれません。

では、筋肉量が減少すると一体どんな不都合があるのでしょうか?
筋肉量が減少すれば、何もしなくても勝手にカロリーを消費してくれる「基礎代謝」が低下して、太りやすい体になるのです。
例えば、筋肉量が1kg減少すれば1日に消費されるカロリーは13kcal低下すると言われています。
「なんだ、13kcalぐらいなら平気かな」と考えるのは少し早いかもしれません。
たった13kcalでも1年経てば「13kcal X 365日 = 4,745kcal」という大きなカロリーになってしまうのです。そして、脂肪1kgを消費するためには「約7,200kcal」を消費する必要があります。
つまり、筋肉量が1kg減少した状態で今までと同じような生活を1年間続けているだけで、自動的に約660gもの脂肪がつくことになるのです。
【筋肉量が1kg減少すれば】
- 1年経過:約0.6kgの脂肪がつく
- 3年経過:約1.9kgの脂肪がつく
- 5年経過:約3.3kgの脂肪がつく
【筋肉量が2kg減少すれば】
- 1年経過:約1.3kgの脂肪がつく
- 3年経過:約3.9kgの脂肪がつく
- 5年経過:約6.6kgの脂肪がつく
【筋肉量が3kg減少すれば】
- 1年経過:約1.9kgの脂肪がつく
- 3年経過:約5.9kgの脂肪がつく
- 5年経過:約9.9kgの脂肪がつく
40歳を境にした筋肉量の大きな減少により、体脂肪がつきやすい体に変化してしまいます。
何の対策もせずに若い頃と同じような生活を送っている限りは、少しずつそして確実に体脂肪がつくことになるのです。
余計な体脂肪がつかないようにするためには、食生活の改善や定期的な運動、筋肉量を維持するための工夫などの対策が必要になってくるでしょう。
1つ言えることは、若い頃よりもダイエットの難易度は確実に高くなっているということです。
若い頃に成功したダイエット方法を試したとしても、同じような効果が得られるとは限りません。
40代からのダイエットでうまく痩せていくためには、自分の年齢や体に合ったダイエット方法を行っていくことが大切です。
【その2】極端な食事制限はしない
若い頃に、無茶なダイエットをした経験がある人も多いのではないでしょうか?
無茶なダイエットの代表格と言えば、食べないダイエットなどの極端な食事制限です。
確かに、極端な食事制限をすれば短期間で一気に体重を落とすことができるかもしれません。
しかし、極端な食事制限は体に大きな負担をかけてしまうため、たとえ若い頃は大丈夫だったとしても40代で行うと病気になったり体を壊す原因になってしまいます。
また、極端な食事制限ではうまく体脂肪だけを落とすことができず、ただでさえ減少していく筋肉をさらに落としてしまうことになるでしょう。
40代からのダイエットでは、短期間で痩せようとして極端な食事制限をするのでは無く、体の健康や筋肉量を維持しながら長期的なダイエットに取り組むことが大切です。
そのためにも、何を食べるのかを良く考えて、食事から十分な栄養素をとっていく必要があります。
【その3】運動だけで痩せようとしない
運動をすることは、健康にとってもダイエットにとっても良いことです。
しかし、運動だけで痩せようとするのは無謀だと言えます。なぜなら、運動で消費されるカロリーはとても少ないからです。
例えば、体重40kgの人がウォーキングで1kgの脂肪を落とすためには「約57時間」もの時間が必要になります。毎日1時間ウォーキングをしたとしても約2ヶ月もの時間がかかってしまいます。
- 【体重40kgの人】:約57時間(126kcal)
- 【体重45kgの人】:約50時間(141kcal)
- 【体重50kgの人】:約45時間(157kcal)
- 【体重55kgの人】:約41時間(173kcal)
- 【体重60kgの人】:約38時間(189kcal)
- 【体重65kgの人】:約35時間(204kcal)
- 【体重70kgの人】:約32時間(220kcal)
- 【体重75kgの人】:約30時間(236kcal)
- 【体重80kgの人】:約28時間(252kcal)
- 【体重85kgの人】:約26時間(267kcal)
- 【体重90kgの人】:約25時間(283kcal)
※カッコ内は、1時間で消費されるカロリーです
さらに、40代にもなれば使える体力や時間も限られているため、長時間に渡って運動することも難しくなります。
よほど根気強い人でもない限りは、運動だけで痩せることは無謀だと言えるでしょう。
とはいえ、運動をすることで消費カロリーを稼いだり筋肉量を維持することは可能です。うまく食事制限と組み合わせることで大きなダイエット効果が期待できます。
体脂肪を落とすための「食事制限」と、筋肉量を維持するための「運動」の、それぞれの得意分野で役割分担させていくことが大切です。
40代からダイエットをするためには、食事制限と運動の両方が必要不可欠だと言えます。
【その4】短期間で痩せようとしない

ダイエットで、ごく短期間で痩せようとする人は後を絶ちません。
「ダイエットを早く終わらせたい」という気持ちは分かりますが、あまりにも短期間で痩せようとすると、無茶なダイエットや極端なダイエットになってしまうでしょう。
では、無茶なダイエットや極端なダイエットの、一体何が駄目なのでしょうか?
無茶なダイエットや極端なダイエットは、体のエネルギーや栄養不足により筋肉量の減少を加速させることはもちろん、ダイエットの大敵であるストレスを大きく溜め込むことになるのです。
ストレスが大きく溜め込まれることで、日常生活に支障が出てきます。
つまり、ダイエットをしていることによって、上記のように日常生活に支障が出てくるため、楽しく毎日を送ることができなくなるのです。
たとえ短期間であっても、そんなダイエットを続けていくことはできません。近いうちにダイエット自体を諦めてしまうことになります。
また、そもそも脂肪を短期間で落とすことはできません。
「えっ?体重は落ちるけど?」と思うかもしれませんが、残念ながら短期間で落ちたのは脂肪ではなく「筋肉」や「水分」です。
筋肉量が減少すれば太りやすい体になり、減少した水分は直ぐに元に戻ってしまうでしょう。
つまり、短期間で痩せることができたとしても、直ぐにリバウンドしてしまうのです。
うまく余計な脂肪だけを落としていくためには、短期間ではなく長期間のダイエットをゆっくりと行っていく必要があります。
【その5】体重を目標にしない
ダイエットの最終目標を、「体重」に設定しまう人はとても多いです。
しかし、体重はダイエットの目標として相応しいものではありません。
なぜなら、ダイエットの目的は体重を減らすことでは無く、「体についた余計な体脂肪を落とす」ということだからです。
つまり、「体重が落ちた=体脂肪が落ちた」とは限らないと言えます。
また、体重を目標にすることで、色々なデメリットを受けることになるでしょう。
主に人間の体重を構成している物は「筋肉」「脂肪」「水分」の3つです。
体重を目標にすることの最大の欠点は、この「筋肉」「脂肪」「水分」のうち、何が減少したのかが分からないことだと言えます。
極端に言えば、「脂肪」がまったく減少していなくても「筋肉」や「水分」が減少していけば、体重はどんどん落ちていくでしょう。
「筋肉」や「水分」が減少していくら体重が減ったとしても、それではダイエットが成功したとはとても言えません。
では、ダイエットでは一体何を目標にすれば良いのでしょうか?
ダイエットの目標として、最も相応しいものは「適正な体脂肪率」です。
- 【男性30歳未満】:14%〜20%(25%以上が肥満)
- 【男性30歳以上】:17%〜23%(25%以上が肥満)
- 【女性30歳未満】:17%〜24%(30%以上が肥満)
- 【女性30歳以上】:20%〜27%(30%以上が肥満)
※1993年度より「東京慈恵会医科大学 健康医学科」にて適用されている値
「体重」では無く「適正な体脂肪率」を目標にすることで、きっちりと体脂肪が減少していることを確認しながらダイエットを続けていくことができます。
では、体脂肪率はどうやって計測すれば良いのでしょうか?
一昔前までは、各家庭には「体重計」しかありませんでしたが、最近では「体組成計(たいそせいけい)」という物が広く普及されています。
その「体組成計」を使うことで、体重と同じように上に乗るだけで「体脂肪率」を簡単に計測することができるのです。
価格はピンキリですが、安いものであれば数千円から購入することができるでしょう。
現在、広く普及されている体組成計の多くは、「生体インピーダンス法」という体に微弱な電流を流して体脂肪率を測定する方法が主流になっています。
また、生体インピーダンス法での計測結果は、計測する時間帯によって誤差が生じやすいため、なるべく同じ時間帯に計測するようにしましょう。
私は、「起床時」に体脂肪率の計測をすることをオススメします。
起床時であれば、体の水分量の誤差も少ないため、いつも同じ条件で計測することが可能です。


40代からはどんなダイエットをしていけば良いのか?

「40代からのダイエットで注意するべきこと」についてお話してきました。
では、40代からは具体的にどんなダイエットをしていけば良いのでしょうか?
実際に、私がオススメするダイエット方法を1つずつご紹介していきます。どれか1つだけを実践するのではなく、すべて実践することで大きなダイエット効果を得ることができます。
【その1】低糖質・低脂質・高タンパク質な食事をとる
ダイエットをするうえで、最も重要なのは「食事」だと言えます。
なぜなら、食事を工夫していくことが「体についた余計な脂肪」を落とすための、最も効率的な方法だからです。
では、どのように食事を工夫していけば良いのでしょうか?
私がオススメする方法としては、「低糖質・低脂質・高タンパク質」な食事をとることです。
「糖質」は脂肪になりやすいく「脂質」はカロリーが高いため、なるべく食べる量を減らしていくのが良いでしょう。
具体的には、「白米」や「めん類」、「揚げ物」や「菓子類」の食べる量や食べる機会自体を減らしていくことが効果的です。
ただし、「糖質」も「脂質」も体には必須の栄養素なので、減らし過ぎには十分に注意しましょう。少しでも体調が悪くなれば、直ぐに食べる量を元に戻すべきです。
さて、「糖質」や「脂質」の食べる量や食べる機会を減らしていけば、当然ながら体に入ってくる栄養素が不足してしまいます。
そのため、「糖質」や「脂質」の代わりに、脂肪になりにくい「タンパク質」が多く含まれている食材を食べていくのが良い方法です。
「肉類」や「魚類」、「鶏卵」や「大豆製品」など、タンパク質を多く含む食材は美味しくておかずになるものが多いため、食べる量を増やすこと自体は苦にならないでしょう。
また、タンパク質は筋肉の材料となる栄養素なので、40代から減少していく筋肉量を維持する効果も期待できます。
タンパク質中心の食生活に変えていくだけでも、大きなダイエット効果を得ることが可能です。
【その2】筋トレをする

食事を工夫するだけのダイエットでは、やはり脂肪と一緒に筋肉量も減少していきます。
筋肉量が減少していくほど「基礎代謝」が低下してしまうため、どんどん太りやすい体になりダイエットの効果も十分に得られなくなっていくでしょう。
折角のダイエット効果を最大限まで高めるためにも、どんなダイエットにも必ず「筋トレ」を取り入れてください。
定期的に筋トレを行っていくことで、ダイエットで減少していく筋肉量を維持することが可能です。
筋トレの頻度や重量、フォームなどが適切であれば、筋肉量を維持するだけでなく筋肉量を積極的に増やしていくこともできるでしょう。
筋肉量を増やすことができれば、ダイエットをしながら痩せやすい体を目指すこともできます。
とはいえ、ボディビルダーのような激しい筋トレをする必要はありません。
自宅で気軽に行える「自重トレーニング」でも十分に効果が期待できます。
【その3】血行を良くするための生活をする
血液は、脳や内臓に「酸素」と「栄養素」を送る重要なパイプラインです。
血行を良くすることで、体の隅々の細胞にまで十分な酸素と栄養素が行き渡り、脳や内臓が活性化することで1日に消費されるカロリーである「基礎代謝」を高めることができます。
食事制限や運動だけがダイエットでは無く、血行を良くすることも立派なダイエットの1つです。
反対に、血行が悪ければ脳や内臓に十分な「酸素」や「栄養素」が送られず、結果的に1日に消費されるカロリーがぐんと減少することになるでしょう。
血行を良くするためには、特に難しく面倒なことをする必要はありません。
上記のように、少し生活の中で工夫をしていくことで、十分に血行を良くすることは可能です。
私が特にオススメするのは、「ストレッチをする」や「水を多く飲む」の2つで、どちらもそこまで手間も時間もかけることなく血行を良くすることができます。
自分の生活に合った方法で、血行を良くするための工夫をしていきましょう。
【その4】自律神経を整えるための生活をする
自律神経は、「消化・吸収・代謝・循環」という体の重要な機能の調整を行っています。
自律神経をきっちりと整えることで、日中に活発にカロリーを消費する「痩せやすい体」を維持し続けることが可能です。
では、自律神経を整えるには一体何をすれば良いのでしょうか?
特別難しいことをする必要は何もありません。日々の生活を少し工夫するだけでも、自律神経を整えていくことができます。
簡単に言えば、日中はしっかりと体を目覚めさせてカロリーを消費させる、そして夜はしっかりと睡眠をとって体を休息させるということが大切です。
特に重要なのは睡眠だと言えます。
睡眠時間が不足したり熟睡できない状態が続けば、必ず自律神経は乱れてしまうためダイエットの成功は一気に難しくなるでしょう。
忙しい毎日を送っている人でも、生活の無駄を省いて7時間の睡眠時間を確保するべきです。
【その5】体重では無く体脂肪率を目標にする
ダイエットの目標は、体についた余計な体脂肪を落とすことです。
そのため、主に「筋肉」「脂肪」「水分」の3つから構成される「体重」を目標にすることは相応しくありません。
ダイエットの目標は、「体重」では無く「体脂肪率」にするべきです。
- 【男性30歳未満】:14%〜20%(25%以上が肥満)
- 【男性30歳以上】:17%〜23%(25%以上が肥満)
- 【女性30歳未満】:17%〜24%(30%以上が肥満)
- 【女性30歳以上】:20%〜27%(30%以上が肥満)
※1993年度より「東京慈恵会医科大学 健康医学科」にて適用されている値
まずは、上記の適正な体脂肪率を目指してダイエットに取り組んでいきましょう。
さらに、誰もが憧れるような理想的な体になるためには、男性な10%前後の女性なら20%前後の体脂肪率を目指す必要があります。
- 【男性】:10%前後
- 【女性】:20%前後
上記の体脂肪率に近づけば、誰でも腹筋が浮き出てくるはずです。
ただし、筋肉量の減少には注意してください。
ほとんどの体組成計では「体脂肪率」と「筋肉量」の両方を計測することが可能です。筋肉量は減らさずに体脂肪率のみを減らしていきましょう。
筋肉量の減少がとまらないなら、筋トレの頻度や強度を増やすなどの工夫が必要です。
まとめ
- 40歳を境に若い頃のようには、うまく痩せていくことは出来なくなる
- 40代からのダイエットで注意するべきことには、「筋肉量が減少していることを考慮する」「無理な食事制限はしない」「運動だけで痩せようとしない」「短期間で痩せようとしない」「体重を目標にしない」などがある
- 40代からのダイエットでは「低糖質・低脂質・高タンパク質な食事をとる」「筋トレをする」「血行を良くするための生活をする」「自律神経を整えるための生活をする」「体脂肪率やスタイルを目標にする」ことが大切
コメント
こんにちは
まさに40代でダイエットをしないといけないと危機感を持ってきた今日この頃です。
教えてもらった内容を意識しながらダイエットをやってみようと思います。
コメントありがとうございます^^
ダイエットや筋トレのコツさえ分かれば、どんどん心も体も健康的になっていくので楽しいですよ。
私も、同じ40代として負けずに頑張ります!