毎日筋トレをしているのに、なかなか脂肪が落ちないと悩んでいませんか?
確かに、筋トレはダイエット効果の高い運動の1つですが、そのダイエット効果を誤解している人が多いのではないかと感じています。
今回は、「筋トレのダイエット効果に対しての誤解」と「筋トレで得られるダイエット効果」について1つずつ理解していきましょう。
そして、最後に「短期間で脂肪を落とすためには何をすれば良いのか?」についても考えていきます。
筋トレは短期間で痩せたい人には向かない運動
結論から言えば、筋トレは短期間で痩せたい人には向かない運動です。
つまり、いくら筋トレを頑張っても、ごく短期間で脂肪を落とすことはできません。
筋トレだけで脂肪を落とそうとした場合、少なくとも半年以上、目標によっては1年以上の時間がかかることになるでしょう。
それだけ筋トレは、脂肪を落とすということに向いていない運動だと言えます。
よくある筋トレのダイエット効果に対しての誤解
まず、「筋トレのダイエット効果に対しての誤解」について考えていきます。
もちろん、筋トレやダイエットの効果は人によって異なるため、あくまでも一般的な知識として覚えておきましょう。
【誤解その1】短期間で痩せられる
いくら筋トレを頑張っても、短期間で痩せることはできません。
なぜなら、単純に筋トレで消費されるカロリーは少ないからです。
筋トレに限らず運動の消費カロリーは、「運動強度」と「運動時間」、そして「自分の体重」で求めることができます。
例えば、次の条件での筋トレの消費カロリーを求めてみましょう。
消費カロリーを求める計算式は次のようになります。
では、実際に上記の計算式当てはめて計算してみましょう。
- 1.05 X (3.0METs X 0.5) X 60 = 94.5kcal
計算式により、筋トレという運動を体重60kgの人が30分間した場合の消費カロリーは「94.5kcal」ということが求まりました。
次に、この筋トレを毎日やり続けた場合、どれくらいで脂肪1kgを落とすことができるか計算してみましょう。
一般的には、脂肪1kgを落とすために必要な消費カロリーは「7,200kcal」と言われています。
つまり、「筋トレ」という運動を「体重60kg」の人が毎日「30分間」した場合、脂肪1kgを落とすのに「約76日」かかるのです。
体重5kg落とすことが目標なら「約380日」もかかる計算になります。
筋トレだけで脂肪を落とそうとすれば、とても長い時間がかかってしまうため、ほとんどの人は効果がないと途中で諦めてしまうでしょう。
最後に、同じく筋トレを毎日30分した場合の消費カロリーを体重別に求めてみました。
【誤解その2】脂肪が筋肉に変わる
筋トレをする前と後で「これだけ体が変わった」というビフォー・アフターの写真やCMを見たことがある人も多いのではないでしょうか?
太った人が筋肉質な体に変わるビフォー・アフターを見ると、羨ましいと感じてしまいますよね。
そういった影響かどうかは分かりませんが、筋トレをすることで「脂肪が筋肉に変わる」と勘違いしている人が多くいます。
これは、大きなな誤解です。
そもそも「脂肪」と「筋肉」は別の細胞であり、突然役割が変わることはありません。
簡単に言えば、脂肪を落とすとは「脂肪細胞を小さくする」ことであり、筋肉を大きくするとは「筋肉細胞を大きくする」ということになります。
細胞が無くなったり増えたり、突然別の細胞になったりする訳では無いのです。
つまり、太った人が筋肉質な体になるためには、「余計な脂肪を落とす」という事と「筋肉を大きくする」という2つの事を行っていく必要があります。
【誤解その3】簡単に部分痩せができる
筋トレだけで部分痩せをするのは、とても難しいと言えます。
例えば、脂肪がたっぷりのお腹を引っ込めるために、ひたすら腹筋運動だけを頑張ったとしても、すぐにお腹を引き締めることは出来ないでしょう。
筋トレの部分痩せの効果は、とても限定的だと言えるのです。
簡単に言えば、筋トレは部分痩せのサポートはしてくれますが、積極的に体に付いた余計な脂肪を落としてくれることはありません。
あくまで、脂肪が分解されやすくなったり付きにくくしてくれるだけなのです。
ただし、筋トレは他のダイエットと組み合わせることで、絶大なダイエット効果を得ることができます。
例えば、「食事制限」と「筋トレ」を組み合わせることで、食事制限により余計な脂肪を落とし、筋トレで脂肪をつきにくくすることが出来るため、とても大きなダイエット効果が期待できるのです。
【誤解その4】筋トレをするだけで筋肉が大きくなる
ひたすら筋トレをするだけで、勝手に筋肉が大きくなっていく訳ではありません。
筋トレは筋肉に刺激を与える運動であり、筋トレをすること自体で筋肉が大きくなっている訳では無いからです。
では、筋肉はいつ大きくなっているのでしょうか?
その答えは、「休息しているとき」や「何もしていないとき」です。
さらに、筋肉の材料となる「タンパク質」やタンパク質の代謝を高める「ビタミンB6」などの栄養素を十分にとる必要があるでしょう。
つまり、筋肉が大きくなるためには、次のようなサイクルが必要だと言えます。
いくら筋トレを頑張っても、栄養や休息が足りなければ、筋肉は大きくなりません。
筋肉を効率よく大きくしていくためには、「筋トレ」「栄養」「休息」の3つのサイクルが必ず必要なのです。
【誤解その5】筋トレは長時間やるほど効果が高い
ウォーキングなどの有酸素運動と同様に、筋トレもできるだけ長時間やった方が効果が高くなる気がしませんか?
しかし、筋トレを長時間やるほど、逆に筋肉が減少していく可能性が高くなります。
筋トレは「酸素」と「脂肪」をメインエネルギー源とする有酸素運動とは違い、「糖質」をメインエネルギー源とする無酸素運動です。
筋トレを長時間やるほど、筋肉の中に蓄えられている「糖質」がどんどん消費されていくことになり、やがて糖質は枯渇することになるでしょう。
では、筋肉の中に蓄えられている「糖質」が枯渇すれば、一体どうなるのでしょうか?
筋肉の中に蓄えられている「糖質」が枯渇すれば、人間の体は筋肉を分解してエネルギーを作り出そうとします。
つまり、筋トレを長時間やるほどエネルギーが不足することになり、エネルギーを新しく作り出すために筋肉が分解されてしまう可能性が高まるのです。
筋トレは、なるべく短時間で終わらす方が良いでしょう。
長くても、1時間以内には終わらせておくべきです。
筋トレで得られるダイエット効果には何がある?
「筋トレのダイエット効果に対しての誤解」についてお話してきました。
では、筋トレで得られる本当のダイエット効果について、1つずつ考えていきましょう。
基礎代謝が高まる
基礎代謝とは、特に何もしなくても勝手に消費されるカロリーのことです。
人間は、1日まったく活動しなかったとしても、生命を維持するために、脳や内臓が無意識にカロリーを消費し続けています。
実は、体の筋肉を増やすことでも、この基礎代謝を高めることが可能です。
つまり、筋トレをして筋肉を増やすことで「痩せやすい体」になることができるため、自分のダイエットを有利に進めていくことができます。
では、実際にどれくらい消費カロリーが増えるのでしょうか?
体の筋肉を1kg増やすごとに、1日に「約13kcal」の消費カロリーが増えると言われています。
「たったそれだけ?」と思うかもしれませんが、1年で考えると「13kcal X 365日 = 4,745kcal」とかなり大きなカロリーが消費されるのです。
脂肪1kgを落とすために必要な消費カロリーは「7,200kcal」と言われているので、筋肉を1kg増やしておくだけで、何もしなくても1年で「約650g」の脂肪を落としてくれる計算になります。
しかも、筋肉を維持し続けていれば、その効果は一生続くのです。
ちなみに、筋トレを始めたばかりの人には「ボーナスタイム」と呼ばれている期間があり、その期間の間は著しく筋肉が発達すると言われているため、一気に筋肉量を増やすことができるでしょう。
ボーナスタイムは、筋トレという刺激に慣れていない筋肉が、一気に強くなろうとするために起こる現象だと言われています。
ボーナスタイムを利用して、一気に筋肉を増やして「痩せやすい体」になりましょう。
筋肉量を維持することができる
どんな効果的なダイエットでも、脂肪だけを狙い撃ちで落とすことはできません。
必ず、脂肪と一緒に筋肉も落ちていくことになります。
つまり、普通にダイエットを続けているだけでは、筋肉が減少していくことになり、どんどん「痩せにくい」体になってしまうでしょう。
ダイエットによる筋肉の減少を食い止めるには、「筋トレ」をすることが最適な方法です。
筋トレをすることで筋肉を増やすことができるため、ダイエット中でも実質的に筋肉量を維持することができます。
スタイルが良くなる
体重を減らしさえすれば、自然とスタイルが良くなる訳ではありません。
魅力的なスタイルになるためには、「余計な脂肪が無くなる」ことに加えて「適度に筋肉が付いている」ことが必要なのです。
適度に筋肉が付いていることで、体のメリハリがついてスタイルが良く見えます。
反対に、適度に筋肉が付いていなければ、いくら痩せていてもメリハリの無い「のっぺり」とした体という印象を与えてしまうでしょう。
頑張ってダイエットをする目的は、自分が理想とする魅力的なスタイルになるためです。
自分が理想とするスタイルになるためにも、筋トレをして適度に筋肉を付けていく必要があると言えます。
モチベーションが高まる
筋トレをすることで、体からメンタルヘルスを高めるホルモンが分泌されます。
具体的には「テストステロン」「セロトニン」「ドーパミン」「β-エンドルフィン」「ノルアドレナリン」などの幸福感や自己肯定感を高めるホルモンが分泌されるのです。
つまり、筋トレという運動をするだけで、自分のモチベーションを大きく高めることができます。
モチベーションが高まることで、日々の生活が楽しくなるのはもちろん、自分のダイエットを諦めずに続けていきやすくなるでしょう。
また、筋トレ自体にストレス解消効果があるため、毎日のちょっとしたストレスぐらいなら、筋トレを続けているだけで自然と解消してくれます。
短期間で脂肪を落とすためには何をすれば良いのか?
「筋トレのダイエット効果に対しての誤解」と「筋トレで得られるダイエット効果」についてお話してきました。
残念ながら、筋トレをするだけでは、短期間で脂肪を落とすことはできません。
しかし、ダイエットで脂肪と一緒に落ちていく筋肉を維持するためには、やはりダイエット中に筋トレをことは必須だと言えます。
では、短期間で脂肪を落とすためには、一体何をすれば良いのでしょうか?
私がオススメするダイエット方法としては、「脂肪を落とすためのダイエット」と「筋肉を維持するためのダイエット」を組み合わせるという方法です。
1つのダイエット方法だけでは、「脂肪を落とす」と「筋肉を維持する」の両方を一度に行っていくことはできません。
それぞれの目的に合ったダイエット方法を、複数組み合わせて行っていくのが最適です。
例えば、次のようなダイエットをすべて組み合わせてみましょう。
食事制限
食事制限は、脂肪を落とすために最も効果的な方法です。
とはいえ、単純に食事の量を減らすだけでは、栄養不足で基礎代謝が低下して、結果的に消費カロリーが減少することになります。
基礎代謝を低下させないためにも、食事の量を減らすという方法はオススメできません。
食事の量を減らさずに効率よく脂肪を落としていくためには、脂肪になりやすい「糖質」を減らして、反対に脂肪になりにくい「タンパク質」を増やすのが良い方法です。
具体的には、パンやうどん、パスタなどを食べる機会を減らして、代わりに肉や魚、卵料理などを食べる機会を増やしていきましょう。
たったそれだけでも、大きなダイエット効果が期待できます。
また、タンパク質は筋肉の材料となる栄養素なので、ダイエットで落ちていく筋肉を維持する効果も期待できるのです。
さらに、糖質を多く含む食材にくらべて、タンパク質を多く含む食材には「ビタミン」や「ミネラル」などの栄養素が豊富に含まれています。
栄養の偏りを防ぐためにも、タンパク質を多く含む食材は最適なのです。
筋トレ
ダイエット中に何も対策をしなければ、脂肪と一緒に筋肉もどんどん落ちていきます。
筋肉が落ちてしまうと、「基礎代謝の低下」や「モチベーションの低下」など、ダイエットを継続することが難しくなってしまうでしょう。
さらに、ダイエットが成功したとしても「リバウンド」する可能性が高くなります。
つまり、うまくダイエットを成功させるためは、積極的に「筋トレ」をして筋肉を維持していくことが必須だと言えるのです。
とはいえ、長時間の激しい筋トレをする必要はありません。
筋肉を維持するだけなら、短時間の「腕立て伏せ」や「スクワット」などの自重トレーニングをするだけで十分だと言えます。
「自宅だと甘えてしまう!」という人なら、ジムに通ってみるのがオススメです。
ジムに通えば、簡単に筋トレをすることができるマシンが揃っていますし、ランニングマシンなどの有酸素運動をする環境も準備されています。
しかし、ジムに通うということは「お金がかかる」「行くのが面倒」「人の目が気になる」というデメリットがあることも覚悟しなければいけません。
自分の性格や状況に合わせて、筋トレを続けていける環境を選んでいきましょう。
有酸素運動
食事制限と筋トレをするだけでも、十分に短期間で脂肪を落とすことは可能です。
しかし、もっと早く脂肪を落としたいという人であれば、有酸素運動も行っていきましょう。
有酸素運動の最大のメリットは、「脂肪」と「酸素」がメインエネルギーとして使われることなので、脂肪を積極的に落とすことができます。
私がオススメする有酸素運動は、「ウォーキング」です。
ウォーキングであれば、無理なく続けていける人も多いのではないでしょうか?
血行が良くなったり、ストレスが解消されるなど、基礎代謝を高める効果も期待できます。
また、ウォーキングが面倒だという人は、日常の中での「寄り道」や「遠回り」などを利用して、1日に8,000歩あるくことを目標にしましょう。
毎日8,000歩あるくだけでも、大きなダイエット効果が期待できます。
まとめ
- 筋トレはダイエット効果の高い運動だが、そのダイエット効果を誤解している人が多い
- 筋トレだけで脂肪を落とそうとした場合、少なくとも半年以上、目標によっては1年以上の時間がかかることになる
- 筋トレの主な誤解として「短期間で痩せられる」「脂肪が筋肉に変わる」「簡単に部分痩せができる」「筋トレをするだけで筋肉が大きくなる」「筋トレは長時間やるほど効果が高い」などがある
- 筋トレで得られるダイエット効果には「基礎代謝が高まる」「筋肉量を維持することができる」「スタイルが良くなる」「モチベーションが高まる」などがある
- オススメするダイエット方法としては、「脂肪を落とすためのダイエット」と「筋肉を維持するためのダイエット」を組み合わせるという方法
コメント
なんと!私も大誤解していた一人です!
部分痩せにも筋トレだけではだめだったなんてショックです。
勉強になりました。。。
コメントありがとうございます^^
私も筋トレだけで部分痩せは可能だと思って、毎日、腹筋ばかりしていた時期がありました。
でも、いくら頑張っても分厚い脂肪の下に筋肉が付いてくるだけなんですよね(笑
食事制限と組み合わせれば、大きな効果が期待できるので、筋トレ自体は超オススメです!